7月から、石油を原料としたレジ袋を店が無料で配ることが全国で禁止されました。

残り続けるプラスチック

食べ物や植物の繊維から作られる紙や布は、 土や水の中にいる微生物に分解されて、やがて自然に返っていきます。 しかし石油を原料とするプラスチックは、 微生物によって分解されることがなく、ずっと残り続けます…

プラスチック量>魚の量?!

現在、年に800万トン以上のプラスチックごみが海に流されているとも言われています。 これは1分間ごとに、ごみ収集車1台分のごみを海に捨てているのとほぼ同じだそうです。 また、このまま増え続ければ、 2050年には、海洋中のプラスチック量(重量)が魚の量を上回ってしまう、 という事実をご存知でしょうか。

マイクロプラスチックとは?

ポイ捨てなどできちんと処分されなかったごみは、 雨で流され、川を通って海に流れ着きます。 そして太陽の紫外線や波の力でもろくなり、細かく砕け、やがて小さな粒になります。 こうしてできる「マイクロプラスチック」(長さ5ミリ以下のプラスチック片のこと)は、 小さすぎて回収が難しく、海を漂い続けます。 世界中の河川や湖、水道水やボトル入り飲料水への混入が確認されています。

世界の海で死んだウミガメ、すべてにプラスチックごみ

一番大きな問題は、海洋生物の生態系の破壊です。 魚類、甲殻類、貝類やカモメといった海鳥、アザラシなどの海洋哺乳類が、 海水に混ざったマイクロプラスチックを誤嚥してしまうと、 消化不全や胃潰瘍などを引き起こし、海洋生物を死に追いやるのです。 また、マイクロプラスチックは有害物質を吸着する性質があり、 それを取り込んだ魚介類を人が食べることによる健康への影響も懸念されています。 世界の海で死んだウミガメの内臓を調べたところ、すべてのウミガメから プラスチックごみが見つかったという調査結果が生物学会誌に発表され、 深刻化する海洋プラスチック汚染の実態が改めて認識されました。 日本の1人当たりのプラスチック廃棄量は年間約32kgであり、 アメリカに次いで世界2位となっています。 プラスチックごみのリサイクル率は高いと思われているかもしれませんが、 実は、日本のプラスチックごみ対策は遅れています

国際連合が掲げたSDGs(持続可能な開発目標)

出典:SDGs総研
世界中の人たちが協力して、国際連合が掲げたSDGs(持続可能な開発目標)を 達成しようと努力しています。 個人の取り組みとしては、やはり、マイバッグ、水筒の使用やごみの分別、と小さなことに思えますが、 全員が徹底すれば大きなことになります。 他国の事例に学びつつ、世界の国々と同様の危機感を持つことが、私たちのミッションといえるでしょう。